この会について

2016.08.18 20:46|趣旨説明
「てつがくカフェ(café philosophique)」とは、わたしたちが通常当たり前だと思っている事柄からいったん身を引き離し、「そもそもそれって何なのか」といった遡行的な問い(哲学的な問い)を投げかけ、ゆっくりとお茶を飲みながら、他の参加者との〈対話〉をとおして自分自身の考えを逞しくすることの難しさや楽しさを体験するものです。1990年代に、フランスの哲学者マルク・ソーテが、パリのバスティーユ広場にあるカフェで始めたのがきっかけとされています。

医療やケアの現場は、脳死からの臓器移植、安楽死・尊厳死、死の自己決定(権)などといった〈死〉を取り巻く場面で突き付けられる哲学的な諸問題にはじまり、出生前診断や遺伝子診断の是非、重症新生児の治療の差し控え・停止、胎児細胞の治療研究への利用、さらには体外受精や代理母といった〈誕生〉の場面でも私たちに多くの問いを投げかけます。また〈ケア〉においても、障害者への支援や介護、看取りなど他者の生活を支える営みの複雑さ、境界の曖昧さからくる様々な問題が横たわっています。そこでは、みずからの死生観をはじめ、人間観、宗教観など、様々な価値観の問い直しが迫られ、試されることになります。そういった点からすれば、いま、医学・医療(ケア)の現場では小手先の対応では到底解決できそうもない根本的な問いかけ、すなわち哲学的な思考が求められていると言っても過言ではありません。こうした課題に対して、「哲学対話(てつがくカフェ)」という営みを通して一緒に考えてみませんか。
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